卓球・混合団体は本当に「五輪の主役」になれるのか?――中国3連覇と日本準優勝が示した“壁の正体”

卓球

2025年11月、ITTFが主催する混合団体ワールドカップが中国・成都で開催された。

この大会は、2028年ロサンゼルスオリンピック
で正式種目化が予定されている“混合団体”の実質的な前哨戦だ。

結果は中国の3連覇

日本は決勝で0-8の完敗を喫しながらも準優勝という現実的な到達点を示した。


混合団体とは何が「異質」なのか

この種目は、単なる男女混合ではない。

  • 混合ダブルス

  • 女子シングルス

  • 男子シングルス

  • 男女ダブルス2試合

  • 先に8ゲーム先取で勝敗決定

このルールが生むのは、「個の強さ」より「配置の科学」だ。

1点の重みが団体戦よりも極端に重く、どこで誰を使うかがそのまま勝敗に直結する。


なぜ日本は中国に0-8で敗れたのか

決勝のカードは象徴的だった。

  • 混合D:王楚欽 / 孫穎莎

  • 女子S:王曼昱

  • 男子S:林詩棟

すべてが3-0

技術差ではなく、試合運びの完成度そのものが違っていた

日本は準決勝でドイツを8-3で破っている。

つまり「日本が弱い」のではなく、中国だけが別の競技をしているように見えた、それが現実だ。


張本兄妹という“切り札”の現在地

日本の軸は明確だった。

  • 兄:張本智和

  • 妹:張本美和

兄妹という特殊な関係性は、混合団体と極めて相性が良い。

ただし決勝では、その“物語性”すら中国の現実主義の前では通用しなかった。


新ペアが示した「希望」と「限界」

準決勝で躍動したのが、

  • 伊藤美誠 × 篠塚大登(混合D)

11-0の完全支配ゲームが象徴するように、ペアの完成度は大会屈指だった。

だが決勝では、同じ混合Dで中国に完敗する。

ここにあるのは才能差ではなく、組織的ペア育成の年単位の差だ。


SNSの反応が映した“感情の断層”

大会期間中、投稿の傾向は大きく3つに分かれた。

反応の傾向 内容
日本側 松島の健闘、中国戦0-8への悔しさ
中国側 「無敵」「3連覇当然」という余裕
中立層 「混合団体が想像以上に面白い」

特に多かったのは、

「負けたのに五輪が楽しみになった」という複雑な感情だ。


混合団体は“夢の種目”なのか、“残酷な競技”なのか

この競技は残酷だ。

1人の不調が試合全体を壊す。

だが同時に、1人の覚醒が全員を勝たせる。

中国にとっては 「勝って当たり前」

日本にとっては 「追い続けるしかない舞台」

この非対称性こそが、混合団体という競技の正体だ。


2028年へ、日本が越えなければならない3つの壁

1つ目は 絶対的混合ダブルスの固定化

2つ目は 男子シングルの世界最上位帯での安定感

3つ目は 団体戦特有の“流れ”を断ち切る戦術構造

どれも一朝一夕では解決しない。

だからこそ、この2025年大会は「現実を突きつけた」意味を持つ。


結論:準優勝は“成果”であり、“警告”でもある

日本は世界2位になった。

だが中国との差は縮まっていない。

混合団体は、

夢の競技であると同時に、最も誤魔化しの効かない競技でもある。

2028年、日本は本当にこの舞台で勝ちに行く覚悟があるのか。

それを問われたのが、成都だった。


卓球の決勝って夜遅くまでやるから、冷えたビール片手にテレビにくぎ付けでした…。
翌日に酒が残らないように、ノンアル。ほんと神です

松島や張本兄妹のフットワークを見ると、
卓球が腕の競技というより「全身の連動競技」だということがよく分かる。
足首、股関節、背骨。
このどれか一つが硬いだけで、動きは確実に一段落ちる。
プロほど完璧に動けなくても、
自宅で軽く体を伸ばすだけでも、疲労の残り方は大きく変わる。
「運動を始める前の準備」としてよりも、「日常の体を戻す装置」としての価値の方が大きい。


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