2026年1月、Netflixで突如として視聴ランキング上位に躍り出た映画がある。
それが でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男 だ。
劇場公開は2025年6月。公開当時から評価は高かったものの、配信開始をきっかけに今、再び強烈な注目を集めている。理由は明確だ。
この作品が描くのは「過去の事件」ではなく、「今も起こりうる構造」だからだ。
■ 作品の概要と背景
本作は、福田ますみ氏のノンフィクションを原作とし、2003年に福岡で実際に起きた事件をベースにしている。
教師が「児童へのいじめ・体罰」を行ったと認定された、日本で初めてのケースとして報道された出来事だ。
しかし映画が焦点を当てるのは、暴力そのものではない。
メディア報道、世論、そして「正義」を掲げた集団心理が、ひとりの人間をどのように追い詰めていくのか。その過程だ。
監督は 三池崇史。
暴力的な表現で知られることも多い監督だが、本作では極端な演出を抑え、静かな恐怖を積み重ねていく。
■ 綾野剛の演技が評価される理由
主人公・薮下誠一を演じるのは 綾野剛。
SNS上で最も多く見られる感想は、「演技をしているように見えない」というものだ。
声を荒げない。感情を爆発させない。
それでも、追い詰められていく精神状態が、表情や姿勢、沈黙の長さから伝わってくる。
視聴者の多くが「途中で観るのがつらい」と感じる理由は、彼の演技があまりにも現実的だからだ。
無実を主張しながらも、誰にも信じてもらえない人間の姿が、淡々と描かれていく。
■ 「一番怖い」と言われる柴咲コウ
保護者・氷室律子役を演じる 柴咲コウ については、評価の言葉がほぼ一致している。
「ホラー並みに怖い」
「声を荒げないのに恐ろしい」
「目線だけで空気が変わる」
彼女が演じる人物は、明確な悪役として描かれてはいない。
むしろ「子どもを守る親」という、社会的に否定しづらい立場にいる。その点が、余計に恐怖を増幅させる。
■ SNSで語られる共通の感想
Netflix配信開始以降、Xでは次のような反応が目立つ。
・観終わったあと、気持ちが重いまま残る
・正義を信じていたはずなのに、怖くなった
・世論が一方向に傾く怖さを実感した
・今のSNS時代なら、もっと悲惨になっていたのではないか
特に多いのが、「他人事ではない」という声だ。
この作品は、誰かが特別に悪かったという話では終わらない。
構造そのものが、現代社会と地続きであることを突きつけてくる。
■ 実話ベースだからこそ残る後味
本作はフィクションではない。
細部の演出に脚色はあるが、根幹にある出来事は現実に起きたものだ。
そのため、明確なカタルシスは用意されていない。
観終わったあとに残るのは、「これは解決した話なのか」という疑問だ。
この“解決しなさ”こそが、評価されている最大の理由でもある。
■ 原作・関連書籍の再注目
映画の影響で、原作書籍や福田ますみ氏の他作品にも再び注目が集まっている。
事件をより多角的に知りたい層が、映画を入口に書籍へと流れている状況だ。
これは、単なる映画ヒットではなく、社会的関心の再燃と言える。
■ まとめ
『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』は、
「怖い映画」でも「重い映画」でもある。
しかしそれ以上に、「目を背けづらい映画」だ。
マスコミ、世論、正義感。
それらが噛み合ったとき、人はどこまで暴走するのか。
Netflixで話題になっている今だからこそ、多くの人が同じ問いを突きつけられている。
映画で描かれた出来事を、事実関係からもう一段深く知りたい人には原作も参考になる。
映像では省かれた経緯や背景が整理されている。
おススメ商品
こちら、私が長年使ってるおすすめワイヤレスイヤホン、トラックボール、スマホスタンド


コメント