家族系YouTuberの収益化停止が相次ぐ 子どもを叱る姿まで動画にする異常さ

家族系YouTuber収益化停止の真相 ネットニュース
家族系YouTuber収益化停止の真相

子どもの成長を記録し、家族の日常をYouTubeで発信する。そんな「家族系YouTuber」に、いま異変が起きています。

2026年に入り、子どもが出演するYouTubeチャンネルで収益化の停止が相次いで報告されているのです。なかには登録者数が数十万人に達する人気チャンネルもあり、再審査を申請しても収益化が認められない事例が出ています。

ただし、最初に誤解を解いておきたいことがあります。

YouTubeは、家族系YouTuberを一斉に禁止したわけではありません。子どもが動画に出演すること自体を禁止したわけでもありません。

問題になっているのは、未成年者の保護に関する規定と、収益化の資格です。

そして私は、子どもを守るために収益化を制限するという方向性に、全面的に賛成しています。

そもそも、子どもをダシにして金儲けをしようとする親なんて、最低どころかクズの極みだと思っているからです。

家族系YouTuberの収益化停止が相次ぐ

2026年には、複数の家族系YouTuberがYouTubeから収益化停止の措置を受けたと報告しています。

代表的な事例を整理すると、以下のようになります。

チャンネル名 報告された内容
しょうやん男三兄弟 収益化停止後、約2200本の動画を削除して再申請するも却下
けんじとあかりとふたご 2026年4月に収益化停止を報告。再審査も認められず活動休止を発表
二か月のパパ 2026年4月に収益化停止を報告。判定に異議を唱えた

なかでも注目を集めているのが、登録者数約62万人の「しょうやん男三兄弟」です。

父親と母親、3人の息子による日常を発信してきたチャンネルですが、2026年7月に収益化停止の措置を受けたと報じられています。

9月にはYouTubeからの引退を発表。その後、過去動画約2200本を削除して再審査を申請しましたが、10月24日に公開した動画で、再び収益化が認められなかったことを報告しました。

父親は3か月後に再申請する方針を示しており、現在は別の有料サービスも活用しながら活動を続けています。

ここで重要なのは、こうした事例があるからといって、すべての家族チャンネルが収益化停止の対象になるわけではないということです。

YouTubeが公式に家族系チャンネルの一斉排除を発表した事実は確認できません。

YouTubeが収益化を停止する理由

今回、複数の当事者が説明している停止理由には、共通する表現があります。

「未成年者の意に反して注目を浴びることを促すコンテンツ」

YouTubeは公式の「子どもの安全に関するポリシー」で、未成年者が望まない注目を浴びることのないよう保護する方針を示しています。

たとえば、家庭内の私的な空間で撮影された映像や、子どもの個人情報を公開する内容、不適切な注目を集めるような内容などには注意が必要とされています。

ただし、今回停止された各チャンネルについて、YouTubeが具体的にどの動画を問題視したのかは明らかになっていません。

したがって、収益化を停止されたという事実だけで、その親が子どもに出演を強制していたと断定することはできません。

また、収益化停止とチャンネル削除は別の措置です。収益化の資格を失っても、動画の公開や投稿を続けられる場合があります。

つまり、家族の思い出を動画として残すことと、その動画で収入を得ることは、必ずしも同じ条件では認められないのです。

私は、この区別が非常に重要だと思っています。

子どもを叱りつける場面まで撮影していた

今回のニュースをきっかけに、過去に批判を集めた家族系YouTuberの動画にも注目が集まっています。

その一つが「しょうやん男三兄弟」の動画です。

2024年4月、食事中に子どもがゲームで負けて機嫌を損ね、食べ物をテーブルに投げつけたことに対して、父親が激しく叱る場面がXで拡散されました。

父親はカメラの外から「消えろ!」などと怒鳴り、その叱り方について批判が相次ぎました。

もちろん、食べ物を投げるという行為は叱られても仕方のないことです。また、元の動画には、父親がその後に冗談を交えて場を和ませ、子どもが笑顔を見せる様子も収められていました。

ただ、私が気になるのは、父親の叱り方だけではありません。

なぜ、子どもが叱られている場面を撮影し、それを不特定多数の人間に公開する必要があるのでしょうか。

子どもが泣いている。怒られている。機嫌を損ねている。兄弟喧嘩をしている。

家庭で生活していれば、そうした出来事はいくらでも起きるでしょう。

しかし、それをわざわざ動画にして公開する必要があるのかという話です。

しかも動画に広告収益が発生するなら、子どもの失敗や怒られている姿が、結果的に大人の収入につながることになります。

私はそこに強い嫌悪感を覚えます。

さらに、親の強い言葉遣いが子どもに影響しているのではないか、という見方もあります。ただし、子どもの言葉遣いが親から影響を受けたものなのか、個別の映像だけで判断することはできません。

それでも、家庭内での親子のやり取りが世界中に公開され、子ども本人の人格や育ち方まで第三者に論評される状況は、考える必要があると思います。

子どもは、家庭内で叱られるだけでは済まなくなります。その姿が動画として残り、知らない大人たちから批評され続ける可能性まで背負わされるのです。

なお、この2024年の動画が今回の収益化停止の直接的な原因になったかどうかは不明です。

「子どもも楽しんでいる」で済ませていいのか

家族系YouTuberを擁護する意見として、よく挙げられるのが「子どもも楽しんで出演している」というものです。

確かに、自らカメラの前に立ちたがる子どももいるでしょう。YouTuberになりたいという夢を持つ子どももいるはずです。

しかし、私はそれだけでは十分だと思いません。

子どもは親に逆らいにくい立場にあります。特に幼い子どもにとって、親から褒められることや、親を喜ばせることは大きな意味を持ちます。

親が動画撮影に熱心であれば、子どももその期待に応えようとするかもしれません。

本人が笑顔で出演しているからといって、それがいつでも自由な意思によるものだとは限らないのです。

さらに厄介なのは、子ども自身が動画公開の意味をどこまで理解できているのかという問題です。

今日撮影された動画が、10年後、20年後にも残っているかもしれない。学校の友人や将来の交際相手、職場の人間に見られるかもしれない。

そんな将来の影響まで理解したうえで、幼い子どもが出演を承諾できるでしょうか。

親には子どもの意思を尊重する責任があります。

しかし、子どもの意思を確認する立場の親自身が、動画の収益によって利益を得ている場合、本当に公平な判断ができるのでしょうか。

私はここに、家族系YouTuberが抱える根本的な問題があると思っています。

芸能界のステージママよりタチが悪いと感じる理由

私は以前から、子どもを芸能界で活躍させようと必死になる親に、あまり良い印象を持っていません。

もちろん、芸能界で活動したいという子どもの夢を支える親もいるでしょう。すべての親が自分の利益のために動いているとは思いません。

ただ、子どもの成功を自分の成功と重ね合わせ、本人以上に熱心になってしまう親もいるのではないでしょうか。

いわゆるステージママ、ステージパパと呼ばれる存在です。

そして私は、子どもを収益の中心に据えた家族系YouTuberには、それ以上に厄介な構造があると考えています。

それは、家庭がそのまま撮影現場になってしまうことです。

テレビや映画に出演する子役の場合、制作会社や事務所など、家庭の外にいる大人が関与します。労働時間や出演条件についても、一定の法的な枠組みがあります。

もちろん、それで子どもが必ず守られるわけではありません。芸能界にも問題はあります。

しかし、家庭内で撮影するYouTubeの場合、親が撮影者であり、編集者であり、公開するかどうかを判断する責任者にもなります。

撮影する時間も、動画に使う場面も、子どものどんな姿を公開するかも、親の判断に大きく依存します。

そこに収益が絡めば、家庭の日常と仕事の境界が曖昧になってしまうでしょう。

普通の家庭なら、子どもが泣いていても、兄弟喧嘩をしていても、それは家庭内の出来事で終わります。

ところが家族系YouTuberでは、それが動画の題材になってしまう。

しかも再生回数が伸びれば、似たような場面をまた撮影したくなる可能性もあります。

親が面白いと思う場面と、子どもが他人に見せてほしいと思う場面は、必ずしも一致しません。

私は、子どもの私生活まで収益のために利用できてしまうという点で、従来のステージママ以上にタチが悪くなる危険性があると考えています。

収益は子どものために貯めているという主張

収益化停止をめぐり、「しょうやん男三兄弟」の父親は、Xで寄せられた批判に反論しています。

本人は、収益について子どもたちのために残している旨を説明。また、子どもたち自身が登録者100万人を目指しており、親としてその夢を支えたいとも主張しています。

2026年11月1日に報じられたABEMA Primeでの議論では、動画制作に必要な人件費や撮影機材などの費用も、収益が必要な理由として挙げられました。

ただ、私はここで疑問を感じます。

仮に稼いだお金をすべて子どものために貯めていたとして、それで子どもの私生活を公開することが正当化されるのでしょうか。

お金の使い道と、子どもの権利を守っているかどうかは別の問題です。

収益を子どもの将来に使うこと自体は否定しません。しかし、それだけで撮影や公開による不利益がなくなるわけではありません。

そもそも子どもの成長を記録することが目的なら、必ずしも一般公開する必要はありません。家族だけで動画を保存する方法もあります。

それでも不特定多数の視聴者に公開し、有料サービスまで利用して収益を得ようとするのはなぜなのか。

そこに事業としての目的があること自体は不自然ではありません。ただし、事業の収益を支える存在が子どもである以上、大人には通常以上の説明責任があると思います。

そして、何より優先されるべきなのは、親の事業を続けることではなく、子ども自身の利益です。

家族系YouTuberの収益化停止に対する世間の反応

今回の収益化停止をめぐり、Xや報道で紹介された視聴者の反応は、大きく分かれています。

子どもの権利を守るために必要という意見

収益化停止に賛成する側からは、子どもを出演させて収益を得る仕組みそのものを疑問視する声が出ています。

特に、子どもの泣き顔や叱られる姿などが動画になることへの批判が目立ちます。

また、家族の思い出を残したいのであれば、収益化をせずに動画を公開すればよいのではないか、という意見もあります。

約2200本の過去動画を削除したことについても、成長記録が目的だったのなら、なぜ大量の動画を削除する必要があったのかと疑問を抱く人がいるようです。

一律に制限すべきではないという意見

一方、収益化停止に疑問を呈する声もあります。

子どもが自発的に出演している家庭まで制限するのは行き過ぎではないか、家族の日常を紹介する動画にも価値があるのではないか、という考え方です。

また、収益化停止の理由は伝えられても、具体的にどの動画が問題だったのか明らかにならないケースがあります。

こうした審査の不透明さについては、私も改善の余地があると思います。

子どもを守ることと、審査が公平であることは両立すべきです。収益化を停止された側が、どこを改善すればよいのか分からない状態は望ましくありません。

ただし、それは子どもの権利を守る規定そのものを撤廃すべき理由にはならないでしょう。

ひろゆき氏も子どもの収益化に疑問を呈している

今回の問題について、2ちゃんねる創設者のひろゆき氏も批判的な見方を示しています。

2026年11月1日に報じられたABEMA Primeでの議論では、思い出を残すための動画なら収益化せずに続けられるはずだと指摘しました。

さらに、YouTubeで収益化できなくなった後も別の有料サービスで活動を続けていることについて、金銭的な目的があるのではないかと疑問を呈しています。

子ども自身の意思についても、小学生が自発的に別の有料サービスを選ぶとは考えにくいと指摘しました。

私は、特に後者の問題が重要だと思っています。

子どもがYouTuberになりたいと思うことと、親が収益事業として活動を続けることは、分けて考える必要があります。

子どもの夢を支えるという言葉が、親の事業を正当化する理由になってしまってはいけません。

海外では子どもの肖像権を守る法整備も進んでいる

家族系YouTuberの問題は、日本だけの話ではありません。

フランスでは2020年に、動画配信などで活動する子どもの保護に関する法律が成立しました。さらに2024年2月には、子どもの肖像権を保護するための法律が成立しています。

この2024年の法律では、親が子どもの写真や動画をインターネット上で公開する際、子どもの年齢や成熟度に応じて本人の意思を考慮することが求められています。

親が子どもの肖像権を適切に守らない場合、裁判所が介入できる仕組みも設けられています。

親だからといって、子どもの姿を好き勝手に公開してよいわけではないという考え方です。

日本でも、子どもがYouTube動画に出演する場合の法的な扱いには課題があります。

ABEMA Primeでは、弁護士が、テレビや映画の子役と違って、家庭内で撮影するYouTube動画では労働法が適用されにくい構造があると解説していました。

子どもを守るための仕組みが十分とはいえない以上、動画配信サービス側の規定も重要な役割を果たします。

ただし、今回のYouTubeの個別判断が、海外の法改正を直接の理由として行われたかどうかは確認できません。

子どもは親の所有物でも収益装置でもない

最後に、私が最も問題だと思っていることを書いておきます。

子どもを動画に出演させること自体が悪いとは思いません。家族で楽しく撮影した動画を公開することも、それだけで否定されるべきではないでしょう。

しかし、子どもを収益の中心に置き、本人の意思や将来への影響を十分に考えずに動画を公開するのであれば、話は別です。

まして、子どもが泣いている姿や叱られている場面、家庭内での失敗まで収益につなげようとする行為には、私は賛成できません。

子どものために稼いでいる。子どもが喜んでいる。子どもの夢を応援している。

そうした言葉は、どれも子どもの権利を軽視してよい理由にはなりません。

本当に子どものためを思うのであれば、動画を公開しないという選択もできるはずです。収益が得られなくなったとしても、家族で楽しく過ごすことや、子どもの成長を記録することはできます。

そして、私は今回の収益化停止を、家族系YouTuberの全面排除だとは捉えていません。

子どもの意思や私生活を犠牲にしてまで金を稼ぐことは認められない。その線引きを改めて考える動きだと捉えています。

もちろん、YouTubeの個別の審査がすべて適切だったとは限りません。誤判定があれば訂正されるべきですし、審査基準の透明性も必要です。

それでも、子どもの権利を優先して収益化を制限するという方向性には賛成です。

子どもは親の所有物ではありません。

ましてや、親の生活を支えるための収益装置でもありません。

金を稼ぐ手段はいくらでもあります。しかし、子ども時代は一度しかありません。

大人の収入のために、その時間や尊厳を差し出させることがあってはならないと思います。


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