ラーメン業界で続いている「王道家」と「島やん」の騒動。どうやら、まだまだ終わる気配がありません。
今度は島やんこと島田隆史氏が、Googleの口コミ評価を持ち出して王道家側を挑発する長文をXに投稿しました。
しかも、その投稿は「お詫び」という形式。自分の関係する店舗の評価が相手側の店舗を上回ってしまったことを、わざわざ謝罪するという内容です。
なるほど。ずいぶん高度な皮肉を披露したつもりなのでしょう。
ただ、申し訳ありませんが、やっていることがあまりにも陳腐ではないでしょうか。
そもそも比較する店舗の選び方に疑問がありますし、何より気になるのは、これを発信しているのが一企業の代表者だということです。
従業員もいれば、加盟店もいる。そんな立場の人間が、SNSで相手を小馬鹿にする文章を長々と書いている。
今回は、この一連の騒動について、少し意地悪な視点から考えてみたいと思います。
島やんが王道家とのGoogle評価を比較する投稿
発端となったのは、2026年10月下旬に起きたラーメン店主同士の対立です。
王道家の清水裕正氏らが、島やんのフランチャイズ加盟店「薩摩家一宮」を訪問。提供されたラーメンについて厳しい評価をしたことから、双方の応酬が続いていました。
島やん側は、ラーメンをほとんど食べずに帰ったという話を受け、本当に正当なレビューなのかと疑問を呈します。さらに店内の画像を公開したことで、防犯カメラの扱いをめぐる批判も起こりました。
そして10月26日。島やん氏はXに、謝罪を装った長文を投稿します。
その主な内容は、自身のフランチャイズ加盟店「薩摩家一宮」のGoogle評価が4.0である一方、王道家関連の「王道乃印 天神家」は3.1であるというもの。
つまり、酷評された自分の店の方が、Googleでは高く評価されているとアピールしたわけです。
もちろん、島やん氏もGoogleの星がすべてではないと断っています。また、味だけでなく接客や清潔感なども評価されることを強調しています。
それ自体は理解できます。
しかし、わざわざ相手より低くない数字を選んで謝罪するという構成に、何とも言えない幼稚さを感じるのです。
一企業の代表が、こんな文章を公開するために時間を使っている。実に平和な話です。
Google評価の比較には疑問が残る
今回の投稿で気になったのは、Googleの評価そのものではありません。
問題は、都合のよい店舗を選べば、自分たちが勝っているように見せられるという点です。
島やん氏が比較したのは、薩摩家一宮と王道乃印 天神家の2店舗です。
しかし、王道家には柏店をはじめとする複数の関連店舗があります。島やん氏が展開するラーメン店についても同様です。
それぞれの系列から1店舗ずつを取り出し、その評価だけで優劣を印象づけることに、どれほどの意味があるのでしょうか。
もちろん、今回の2店舗を比較すること自体が間違いというわけではありません。
ただし、それはあくまで「その2店舗のGoogle評価を比較した結果」であって、両者の経営能力やラーメンの品質全体を証明するものではありません。
そもそも、口コミの評価を見るなら投稿数にも目を向ける必要があります。
評価が4.0でも口コミが少なければ、少数の投稿によって数値が変動する余地があります。一方、口コミが多い店舗では、個々の評価が全体に与える影響は相対的に小さくなります。
今回のGoogle評価については、比較時点の両店舗の口コミ件数を独立して確認できていません。そのため、実際にどちらの評価が安定しているかは断定できません。
ただ、そうした条件を示さず、数字の大小を強調する比較には慎重になるべきでしょう。
数字を使っているから客観的なのではありません。数字の選び方まで含めて客観的でなければ、ただの印象操作に近づいてしまいます。
食べログでは異なる評価になっている
では、Google以外の評価サイトではどうなっているのでしょうか。
2026年10月27日に確認した食べログの掲載情報では、次のようになっています。
| 店舗 | 食べログ評価 | 口コミ人数 |
|---|---|---|
| 泡豚醤油 薩摩家 一宮 | 3.09 | 28人 |
| 王道乃印 天神家 | 3.39 | 166人 |
| 王道家 柏店(参考) | 3.76 | 2,120人 |
※評価・口コミ人数は確認時点の数値で、今後変動する可能性があります。
なんとも興味深い結果です。
島やん氏がGoogle評価で比較した2店舗は、食べログでは天神家の方が高い評価となっています。
もちろん、Googleと食べログでは評価の仕組みが異なり、どちらか一方が絶対的に正しいということではありません。食べログの3.09という数字だけで、薩摩家一宮を不味い店と決めつけることもできません。
しかし、だからこそ言いたいのです。
評価する場所を変えただけで、優劣が逆転してしまう。その程度の数字で、どうしてあそこまで勝ち誇った文章を書けるのでしょうか。
ちなみに、薩摩家一宮は2026年7月20日、天神家は同年7月17日にオープンした店舗です。どちらも開業から間もない時期の評価であることにも注意が必要でしょう。
自分に有利な数字を持ってきて勝利を演出する。これなら、相手側も自分に有利な評価を探して反論することができてしまいます。
そんなことを繰り返して、一体何が証明されるのでしょうか。
経営者同士が数字を競うなら、せめて比較する条件くらいは揃えてほしいものです。
皮肉を込めたお詫び投稿は何を伝えたいのか
今回の文章には、もうひとつ気になる点があります。
それは「お詫び」という形式です。
本当に謝罪すべきことがあったわけではなく、相手に対する皮肉を謝罪文の形で表現している。読めば、その意図は伝わってきます。
ただ、これを面白いと思えるかどうかは別の話です。
相手を直接批判するのではなく、一見丁寧な文章で嫌味を重ねる。しかも、根拠として持ち出すのは自分に有利な口コミ評価です。
正面から反論するよりも、よほど回りくどいやり方ではないでしょうか。
皮肉というのは、短く鋭いからこそ面白い場合があります。
ところが、今回の投稿では、わざわざ長文を使って自分たちの方が評価されていることを説明している。
これでは皮肉というより、どうしても相手に勝ったことにしたい人の自己弁護に見えてしまいます。
相手の発言が気に入らないなら、論点を整理して反論すればいい。店舗の評価に自信があるなら、堂々と実績を示せばいい。
それなのに、謝罪文の体裁を借りて相手を煽る。
これを経営者の余裕と呼ぶには、少々無理があるように感じます。
炎上を利用した発信にも限界がある
島やん氏は、YouTubeやSNSで積極的に情報発信している経営者です。
飲食店の経営方法やラーメンのレビューなどを発信し、自身の知名度を高めてきました。
その意味では、今回の騒動も注目を集める機会になっているのかもしれません。
ただし、本人が意図的に炎上を狙っているかどうかはわかりません。
仮に炎上による注目獲得を狙っているのだとしたら(推測です)、今回のやり方はあまりにも安直ではないでしょうか。
対立相手を批判する。相手が反論する。さらに皮肉で返す。その続きをYouTubeの題材にする。
確かに、こうした応酬は人の関心を集めやすいのでしょう。
しかし、炎上によって名前を知ってもらうことと、その人物に好感や信頼を抱いてもらうことは別です。
たとえば、今回の騒動で島やん氏を初めて知った人がいたとします。
その人にとって最初の印象が「他店の口コミ評価を持ち出して、長文で嫌味を言っているラーメン店の社長」だったとしたら、果たしてプラスに働くのでしょうか。
もちろん、面白がってファンになる人もいるかもしれません。
しかし、経営者としての発信を期待している人にとっては、失望の材料になる可能性もあります。
注目されることと、尊敬されることは違います。
数字に詳しい経営者であれば、その違いこそ理解していてほしいところです。
従業員を抱える経営者としての振る舞い
そして今回、私が最も残念に感じているのがここです。
島やん氏は、単なるラーメン好きの個人ではありません。複数の店舗を展開する経営者であり、従業員やフランチャイズ加盟店に関わる立場です。
もちろん、経営者だからといってSNSで自由に発言してはいけないわけではありません。批判された場合に反論する権利もあります。
しかし、自分の発言が会社や店舗の印象に直結する立場であることは、もう少し意識してほしいものです。
現場では毎日ラーメンを作り、接客し、店舗を運営している人たちがいます。
その人たちは、目の前のお客さんに満足してもらおうと仕事をしているはずです。
一方、会社の代表はSNSで他店の評価を持ち出し、相手に対して長文の嫌味を投稿している。
この構図を見て、何とも思わないのでしょうか。
もちろん、従業員が今回の投稿をどう受け止めているのかはわかりません。代表の発信を面白がっている人もいれば、関心のない人もいるでしょう。
ただ、経営者の発言は、本人だけでなく会社全体の印象にも影響します。
自分の腹いせのように見える発信で、現場の人たちが積み重ねてきた信用を危険にさらす必要があるのでしょうか。
もっとも、今回の投稿が本人にとっては計算された宣伝である可能性もあります。
だとすれば、なおさら残念です。
従業員や加盟店の看板まで背負って、わざわざこんな小競り合いを宣伝に使う必要があるのか。
経営者として本当に見せるべきものは、他店への皮肉ではなく、自分たちの店の魅力ではないでしょうか。
王道家と島やんの騒動に対するネット上の反応
今回の一連の騒動について、SNS上ではさまざまな反応が見られます。
島やん氏に対しては、防犯カメラの画像を公開したことへの疑問や、言い争いをYouTubeの話題にしていることへの批判が出ています。
特に、店舗内の画像を反論の材料として公開することについては、客の安心感という観点から問題視する声があります。
一方で、王道家側にも批判があります。
以前から対立している店舗へ複数人で訪問して厳しい評価をすることや、食べ物を残したことについて、配慮が足りないのではないかという意見です。
また、双方のやり取りを、経営者同士による話題作りや見せ物のように受け止める意見もあります。
こうした反応を整理すると、争点は大きく分けて次のようになります。
| 争点 | ネット上で見られる主な意見 |
|---|---|
| 王道家側の来店と酷評 | 対立相手の店に複数人で訪れる行為への疑問 |
| 島やん側の画像公開 | 客のプライバシーや店舗への信頼に関する懸念 |
| SNSでの応酬 | 経営者同士の争いが大人げないという批判 |
| YouTubeでの発信 | 騒動を再生数や宣伝に利用しているのではないかという見方 |
※公開されている投稿や報道で確認できる反応を要約したものであり、世論全体の割合を示すものではありません。
今回のGoogle評価をめぐる投稿については、反応の全体像を確認できていないため、批判が多数派だとは断定できません。
ただ、こうした対立が続けば、本来注目されるべきラーメンの味や接客ではなく、経営者本人の言動ばかりが話題になってしまいます。
それは、飲食店にとって本当に望ましい状況なのでしょうか。
王道家側にも問題はあるが、それは別の話
ここまで島やん氏の言動を批判してきましたが、だからといって王道家側を全面的に擁護するつもりはありません。
もともと対立していた相手の店へ複数人で訪れ、そのラーメンを厳しく評価する。
そこに相手への当てつけのような意図があったのかはわかりませんが、少なくとも誤解を招きやすい行動だったとは思います。
また、店舗経営者が他店を酷評する際には、自分自身も評価される立場にあることを忘れるべきではないでしょう。
ただし、それと島やん氏の対応が適切だったかどうかは、分けて考える必要があります。
相手の態度が悪ければ、自分も同じように振る舞っていいわけではありません。
むしろ、相手が感情的な発信をしていると感じたときこそ、冷静な対応を見せる機会だったのではないでしょうか。
そこでわざわざGoogle評価を持ち出して皮肉を重ねるのですから、結局は同じ土俵に立ってしまっています。
これでは、どちらが先に仕掛けたのかという話ばかりが続くでしょう。
まとめ:経営者なら口コミの星より見せるべきものがある
今回の島やん氏の投稿を見て、改めて感じたことがあります。
それは、相手より自分が優れていると証明することに執着すると、かえって自分自身の評価を下げかねないということです。
Google評価で勝っていることを示したかったのでしょう。しかし、別の評価サイトを見ると、また違った数字が出てきます。
そもそも評価は選んだ店舗や集計方法によって変わるものであり、一部の数字だけでラーメン店の優劣が決まるわけではありません。
そんなものを持ち出して、相手に勝ったような演出をしても、何の説得力があるのでしょうか。
そして、もっと気になるのは経営者としての姿勢です。
個人のSNSで言い争いを楽しむのは自由です。炎上を利用して知名度を上げようとするのも、ひとつの考え方なのかもしれません。
しかし、会社を経営し、従業員を抱え、加盟店を展開している立場であるなら、もう少し違う振る舞いがあってもいいのではないでしょうか。
他店を小馬鹿にすることより、自分の店をもっと魅力的にすることに力を注ぐ。相手に言い返すことより、現場で働く人たちが胸を張れるような発信をする。
そんな姿勢を見せてくれた方が、よほど格好いい経営者だと思います。
Googleの星を0.9上回ったことを誇る前に、自分自身の振る舞いが周囲からどう評価されているのか、少し考えてみてもいいのではないでしょうか。
ラーメン店の経営者なのですから、最終的にはラーメンと店舗運営の実績で勝負してほしいものです。
少なくとも、長文の嫌味で勝敗を決める大会を見たいわけではありません。
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