最近、「冷笑(れいしょう)」という言葉をよく聞くようになりました。
昔からこういう人はいたように思いますが、「冷笑系」という言葉がSNSで定着したのはここ数年の印象です。「どうせ売名」「所詮自己満足」「意識高い系(笑)」といった言葉を目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
冷笑とは、単に誰かを批判することではありません。誰かが本気で取り組んでいることや、善意で行動していることに対して、「どうせ」「結局」と最初から動機まで決めつけ、冷ややかに笑う態度を指して使われることが多い言葉です。
この記事では、SNSで「冷笑」が目立つようになった理由や、冷笑される人の共通点について考えてみます。
冷笑と批判は何が違うのか
まず勘違いしやすいのが、「冷笑=批判」ではないということです。
例えば、商品やサービスの欠点を指摘したり、政治や社会問題について問題点を挙げたりすることは批判です。内容について議論することであり、相手の人格や動機まで否定するものではありません。
一方で冷笑は、内容を見る前に結論を決めています。
「どうせ売名。」
「結局、自己満足でしょ。」
「偽善者じゃん。」
こうした言葉は、相手が何をしたかではなく、「どんな人間か」を勝手に決めつけています。だからこそ、批判ではなく冷笑と呼ばれるのでしょう。
冷笑される人には共通点がある
SNSを眺めていて、あることに気付きました。
冷笑される人には、ある共通点があります。
それは、「何かを行動している人」です。
例えば、ボランティア活動を報告した人には「どうせ自己満足」と言われます。社会問題について発信した芸能人には「売名だろ」と書かれ、YouTubeやブログを始めた人には「どうせ続かない」と笑われます。
推し活を楽しんでいる人には「必死すぎる」、夢を語る人には「意識高い系」と言われることもあります。
冷笑されやすい人の特徴
| 行動 | SNSで見られる反応の例 |
|---|---|
| ボランティア活動 | 「どうせ自己満足」 |
| 社会問題への発信 | 「売名でしょ」 |
| ブログ・YouTube | 「どうせ続かない」 |
| 推し活・趣味 | 「必死すぎる(笑)」 |
| 新しい挑戦 | 「意識高い系だね」 |
もちろん、これらの反応がすべて冷笑というわけではありません。しかし、「どうせ」「所詮」「結局」という言葉で相手の動機を決めつける投稿は、SNSで珍しくないように感じます。
逆に考えると、不思議なことがあります。
何もしない人は、あまり冷笑されません。
何も発信しない。
何も作らない。
何も挑戦しない。
そういう人は、そもそも話題にならないからです。
冷笑と評論家気質は相性がいい
私は、冷笑と評論家気質は非常に相性が良いと思っています。
映画は作らない。動画も投稿しない。店も開かない。政治にも関わらない。それでも映画監督やYouTuber、飲食店、政治家に対して100点満点を求め、少しでも気に入らなければ「レベルが低い」「センスがない」と評価することはできます。
以前、スポーツ中継に対して「もっと詳しいリポーターを連れてこい」という投稿を見かけました。
もちろん感想を持つことは自由です。しかし、その投稿を書いている本人は現地で取材をしたわけでも、選手に話を聞いたわけでもありません。それでも画面越しに他人の仕事を採点することはできます。
SNSは、行動するよりも評論するほうが圧倒的に簡単です。
何かを作れば失敗するかもしれません。
何かを発信すれば批判されるかもしれません。
でも、評論するだけなら失敗することはありません。
だからこそ、冷笑は一瞬だけ「自分の方が賢い」と感じさせてくれるのかもしれません。
SNSでも「冷笑」への見方は分かれている
SNSでは、「冷笑系」という言葉そのものに対しても、さまざまな意見が見られます。
「最近は何でも斜めから見る人が増えた」「本気になる人が笑われる空気がある」という声がある一方で、「単なる批判まで冷笑扱いするのは違う」「偽善を指摘することも必要ではないか」という意見もあります。
実際、その通りだと思います。
すべての批判が冷笑ではありません。
問題なのは、相手の考えや行動ではなく、「どうせ売名」「どうせ偽善」と最初から人格や動機を決めつけてしまうことです。そこには議論がなく、相手を見下すことだけが残ります。
冷笑は、本当に優位な立場なのか
冷笑をしていると、一瞬だけ相手より上に立ったような気分になります。
本気で頑張っている人を横から見て、「そんなことやって意味あるの?」「結局自己満足でしょ」と言えば、自分は傷つきません。挑戦も失敗もしないので、失うものがないからです。
しかし、それは本当に優位な立場なのでしょうか。
私は、むしろ逆ではないかと思います。
挑戦する人は失敗する可能性があります。
発信する人は批判される可能性があります。
それでも行動した結果、誰かの役に立ったり、新しい経験を得たり、自分自身が成長したりする可能性もあります。
一方で、冷笑するだけの人は失敗しません。
その代わり、大きく成長する機会も少なくなります。
冷笑が一番怖い理由
私が冷笑の一番怖いところだと思うのは、他人だけではなく、自分まで止めてしまうことです。
毎日のように「どうせ」「所詮」と言っていると、自分が何か始めようとしたときにも同じ言葉が頭に浮かびます。
「どうせ続かない。」
「どうせ失敗する。」
「どうせ笑われる。」
最初は他人に向けていた冷笑が、最後には自分自身にも向いてしまうのです。
そうなると、新しいことに挑戦する気持ちは少しずつ失われていきます。
行動した人しか、冷笑されない
この記事を書きながら改めて思ったのは、冷笑される人には共通点があるということです。
それは、何かを作った人。
何かを発信した人。
何かを変えようとした人。
そして、何かに本気になった人です。
もちろん、行動している人がすべて正しいわけではありません。
間違うこともありますし、批判されるべき場面もあるでしょう。
それでも、何もしない人より、何かを行動した人のほうが社会を少しでも前に進めているのは確かです。
まとめ
最近よく聞くようになった「冷笑」という言葉。
SNSでは珍しいものではなくなりましたが、その矛先が向かうのは、本気で頑張っている人や、新しいことに挑戦している人であることが少なくありません。
批判することと、冷笑することは違います。
問題点を指摘することは議論につながりますが、「どうせ」「所詮」と相手の動機を決めつけて笑うだけでは、何も生まれません。
誰かを採点することは簡単です。
しかし、本当に難しいのは、自分自身が採点される側に立つことです。
だから私は、冷笑されること自体を必要以上に恐れる必要はないと思っています。
少なくとも、それは何かを行動した証拠なのですから。
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